バイタル異常から疑われる症状

バイタル異常から疑われる症状

血圧に異常が見られたら

年齢を重ねると、上の血圧は高くなりますが下の血圧はあまり変化しないため、差が大きくなってくるという特徴があります。原因として、動脈硬化などによって血管の壁が硬くなっていくことが挙げられますので、高齢者の場合特に注意して数値の変化を見ていくことが必要です。
上記のとおり上と下の血圧の差にも注意が必要ですが、全体的な数値が高くないかということも重要なポイントです。成人の正常な血圧は上が120未満、下が80より高い状態とされています。これが上140以上で且つ下が90以上になると、高血圧と呼ばれる状態になります。高血圧は、様々な症状を引き起こす可能性が高いので、十分注意して観察していかなければなりません。
高血圧によって引き起こされる症状の代表的なものとして、脳卒中が挙げられます。脳内やその周辺の血管が破れたり詰まったりすることによって、脳梗塞やくも膜下出血を引き起こすのです。心臓内やその周辺の血管に影響を及ぼした場合には、心筋梗塞や心不全になる可能性があります。また、このような突発的に大きな症状が出るもの以外にも、知らないうちに進んでいってしまう病気もあります。腎臓では体内に毒素が溜まっていき腎不全になったり、その他の部分でも血管が詰まったり細くなることによって大動脈瘤や末梢動脈疾患になってしまう可能性があることを覚えておきましょう。

脈拍に異常が見られたら

日本では70歳以上の2%、80歳以上の3%が不整脈と言われています。不整脈と言っても速くなるタイプと遅くなるタイプがありますが、このような脈拍の異常から疑われる症状として代表的なものは心房細動です。心臓は電気信号によって規則的に収縮を繰り返して全身に血液を送っていますが、何らかの原因でこの電気信号が乱れて、心房の壁が細かく震えた状態を心房細動と言います。自覚症状がない場合も多いので、知らないうちに脈が速い状態が続き、心室のポンプ機能が低下して心不全になってしまう可能性もある恐ろしい症状です。

呼吸に異常が見られたら

必要な酸素を取り込み、不要な二酸化炭素を放出する役割を担う「呼吸」ですが、息切れをしていたり苦しい様子が見られたら、呼吸器の病気が疑われます。
原因不明の咳やたんが続く場合には気管支の粘膜に炎症がある可能性があります。そういった状態が3か月以上続き、2年以上繰り返している場合には慢性気管支炎と呼ばれます。また、気管支拡張症や気管支喘息も気管支の代表的な病気としてとして挙げられます。気道が広がったままになったり逆に狭くなったりすることによって、呼吸が苦しく喘鳴が出るような発作が起こります。
また、肺の病気も疑われます。かぜをこじらせたり、誤って食べ物が気道に入り炎症することによって起こる肺炎や、肺胞の弾力性が低下し呼吸困難を起こす肺気腫が高齢者に起こりやすい症状ですが、肺結核の可能性もあるので十分注意が必要です。肺結核は空気感染や飛沫感染するので、発見が遅れると周囲の人にも影響が及ぶため素早い対応が必須です。
高齢者は少しの体調不良から大きな病気につながってしまうことも多いので、さまざまな疾患についてあらかじめ知っておくことで適切な判断ができるように努めましょう。以下のリンクで高齢者によくみられる疾患について紹介していますので、ぜひご参考ください。

更新日:2019.11.26

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