介護現場での留意点

介護現場での留意点

介護の現場では、高齢者の体調管理のためにさまざまなケアが必要となります。しかし基本的に介護職は医療行為を行うことが認められていないため、何を行って良いのか・悪いのかについて知っておく必要があります。バイタルチェックは介護職が行うことを認められていますが、その重要性を理解し丁寧に行わなければなりません。特に入浴時の判断には注意が必要です。高齢者のケアに関する知識を十分に持ち、正確なバイタルチェックを行うことができるようになったら、その活用方法についても今一度考えてみましょう。

高齢者をケアする際には、バイタルチェックを含め医療行為に近い対応を行うことも少なくありません。しかし、基本的に介護職は医療行為を行うことが認められていません。この線引きが明確でないため、介護サービスの利用者やその家族から行ってはいけない医療行為を求められたり、介護職自身の判断で行った結果利用者にケガをさせてしまったりということが後を絶ちませんでした。そんな中、2017年にやっと「介護職が行って良いこと」が明確化されました。100%とは言えませんが、介護職が感じていた不安は軽減されたようです。

介護職が行ってはいけない「医療行為」の線引き

入浴に関する高齢者の事故例は残念ながらとても多いようです。入浴前後の寒暖差から心筋梗塞などを起こす例が少なくないので、高齢者の場合は特に気を付けてバイタルチェックを行っておく必要があります。安全な入浴への対策と共に、介護施設などでは複数の利用者に対して順番に入浴介助を行うため、あらかじめ立てておいたスケジュールをなるべく変えない工夫が必要です。どの数値を基準にして入浴可否を判断するのかをしっかり共有しておくことと、利用者それぞれの普段の状況を把握しておくことがポイントです。

特に注意すべき入浴時の判断

何を行うにしても、その目的や意味をしっかり理解しているのとそうでないのとでは結果に大きな差が出てきます。バイタルチェックにおいても同じことが言えますが、残念ながらその重要性を理解せず流れ作業のように行ってしまっている人も存在するようです。単純に思えるバイタルチェックですが、実はそこから得られる情報量はとても多いのです。発熱ひとつを取っても、どんなパターンで異常値が出ているのかによっても考えられる疾患が異なってきたり、測定の方法が少し違うだけで後の判断に影響を及ぼしたりするので、丁寧に行う必要があるのです。

役割と重要性を知って正確なバイタルチェックを

丁寧なバイタルチェックや何気ないサインから得た貴重な情報も、職員間で共有されていなければその有効性は半減してしまいます。質の良い介護記録を残し、職員全体が自ら進んで閲覧するように心掛けることで、ケアの質を向上させたり利用者の家族からの信頼を得ることにつながります。何か問題があった時に、施設側として適切な対応をしていたかどうかの証拠にもなりますので、普段から丁寧に記録することを意識しておきましょう。

質の良い介護記録を書くことも必要

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役割と重要性を知って正確なバイタルチェックを

バイタルチェックを行う際には正しい測定方法を知っておく必要がありますが、その知識を活かすためにはまずバイタルチェックの重要性についてしっかり理解しておくべきです。目的や意味がわかっていれば、自然と丁寧な測定が行えるはずです。

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