確認の方法と正常値
バイタルチェックの方法
「生きているかどうか・元気かどうか」を確認するために体温や血圧を測定することをバイタルチェックと言いますが、その正しい測定方法と、正常かどうかを判断する基準値についてご存知でしょうか。共通して、基本的には安静時に左側で行いますが、左側に麻痺などがある場合は右側で測定します。その他のポイントについては、以下にてそれぞれの項目別に紹介します。ただし、介護士には行って良い医療行為とそうでないものがありますので、あくまでも介護士が行う場合としてご参考ください。
体温
体温の測定は家庭でもごく一般的に行われているので知っている人も多いと思いますが、改めて紹介します。年齢や性別などによって違いはありますが、一般的な平熱は35℃~36℃と言われており、その中でも朝が一番低く夕方にかけて徐々に上昇していきます。また、汗をかいていると正常に測定できなかったり、服の中に熱がこもって実際より高い数値が出たりする場合もあります。従って、その人の平熱を知っておくためにはできるだけ同じ時間に同じ環境で測定することが必要となります。
測定には電子体温計や水銀体温計を使用します。高齢者が発熱している場合には脱水症や感染症が疑われますので、すぐに適切な対応を行いましょう。
血圧
高齢者は血管が硬くなりやすいため最高血圧で高い数値が出る傾向がありますが、一般的に最高血圧は120~130、最低血圧は70~80、脈圧は40~50が健康とされています。電子自動血圧計で上腕部もしくは手首に巻き付けて測定しますが、強く締めすぎないようにするのがポイントです。また、血圧は食事や運動、緊張や興奮、入浴などにも左右されやすいことを覚えておきましょう。
脈拍
テレビドラマや病院などで見たことがあるかもしれませんが、脈拍を測定する方法のひとつとして、親指の付け根内側の手首に触れることでおよその数値を知ることが可能です。しかし一般的には自動血圧計の中に脈拍測定機能も備わっているものがほとんどですので、血圧の測定と同時に行われていることが多いようです。運動後やストレスを感じた場合にも変動しがちなので、測定前の状況も踏まえた上で数値を確認しなければなりません。
安静時の脈拍は1分間に60~100回とされており、60未満であれば徐脈、100以上であれば頻脈と言います。頻脈は心臓の力が弱くなっていたり、脱水症状や大量出血している可能性もあるため特に注意が必要です。
呼吸
介護士が行うことのできる呼吸の確認は、回数と深さ、リズムから行います。正常な状態では1分間に12~20回と言われており、吸い込む時間よりも吐き出す時間が長くなります。また、咳や痰がないか・息苦しさや喘鳴はないか、チアノーゼは出ていないかというポイントも重要です。
リズムと深さが一定でなく浅い呼吸と深い呼吸を繰り返す場合には、脳血管障害などの可能性もあります。異変を感じた場合には、血中酸素濃度を測定できる機器の使用も必要となります。
更新日:2019.11.22
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役割と重要性を知って正確なバイタルチェックを
バイタルチェックを行う際には正しい測定方法を知っておく必要がありますが、その知識を活かすためにはまずバイタルチェックの重要性についてしっかり理解しておくべきです。目的や意味がわかっていれば、自然と丁寧な測定が行えるはずです。